第6回公判 2024/2/27(火)10:00~ 青森地方裁判所 第1法廷
傍聴人数21名(うち記者席6名)
第5回公判に続き除雪機殺人事件に関する検察側の証人尋問
検察は2020年9月23日の海中転落事件前後について質問
被告証言
ホイールローダーや重機代金未納について9月23日に謝るためにホイールローダーの引き渡し手続きとウソをつき被害者を被告実家に呼び出し、軽トラックで八戸漁港に行った(引き渡し手伝いのために被告妹と友人もプリウスで同行)。二人きりになり謝るために車で同乗して移動したが、結局真実を言い出せず、謝れなかった。八戸漁港に着き、その後コンビニへ移動し、コーヒー4個を妹に購入させ、代金支払いのため自分の財布を妹に渡した。また、仕事の電話が来る予定で運転中は電話にでられないため、携帯電話も妹に財布と一緒に渡した。コーヒー購入後、財布と形態電話は、プリウスに乗る妹が所持することになった。
コンビニ後、朝市が開かれる館鼻漁港へ行き、漁港へ戻った。漁港へ戻る途中でブレーキの効きが悪いと感じて一度車を止めて確認したがよくわからなかった。ブレーキペダルを踏みこんでもいつもより止まるまでの距離が長く感じた。漁港に戻り、先に着いていたプリウスの横に駐車しようとしたが止まりきらず、係船柱に軽トラック前面が追突した(同行していた友人の話では、最初に漁港に着いたときに係船柱と衝突したと証言があり、順番が食い違う)。検察は係船柱手前には軽トラックのブレーキ痕が残っていたことからブレーキは十分に機能していたはずだとしたが、被告は効かなかったとしている。このタイミングで被告はもう一台の携帯電話を妹には告げずにプリウスに置いた。ブレーキの調子を確認するために、被告と被害者は軽トラックで漁港内を走行した後、一般道へ出ていき10分程度走行し漁港へ戻ってきた。岸壁付近に停車していたプリウスの横に停車しようとしたがブレーキが効かずにそのまま海中で転落し、自分は割れて外れたフロントガラスから脱出した。道場していた被害者の状況まで確認している余裕はなかった。被告は、被害者家族に対して、被害者がタコを購入したいとのことで八戸に一緒に来たとウソを告げた理由について、被告が呼び出したと家族に告げると事故は被告が故意に起こしたと疑われることを恐れたとしている。
事故翌日の9月24日警察の事故検証が終わったと聞いたので、十和田ダイハツに保管していた軽トラックをダイハツの営業時間外に自分で青南商事に運び廃車処分した。海中に没し修理の見込みがないこととダイハツに迷惑をかけたくなかったために早期に処分した。車の持ち出す際には事前にダイハツに電話しその旨を伝えたと証言しているが、ダイハツ従業員は連絡を受けていないと言っている。
検察は2020年12月23日の除雪車事故前後について質問
12月22日被害者から被害者実家の除雪のために除雪機を貸してほしいと言われて、了承した。また、この日代金未納とホイールローダー未返却について警察に相談することについて、被害者から被告へ伝えらえたと事務所の同僚は証言しているが、被告は聞いていないとしている。当初、除雪機に関しては被告実家で被告が除雪機を軽トラックに載せて準備し、被害者が自分で軽トラックごと持っていくことにしていたが、23日になり被告は貸出時に除雪機の操作方法を教えるために立ち会い、併せて被害者の除雪も手伝うことに考えを変え、被害者を待った。事務所の事務を手伝っている妹には除雪用のスコップを出勤前に購入するように指示し、妹は通常より遅れて出勤した。被害者が被告実家に来て除雪機の操作を教えた後、被害者は用事があると言って自分の軽トラックで一度出かけた。被害者が出かけたため、被告は被害者実家へ行き除雪現場を確認し、再び被告実家の小屋に戻ったときにエンジンの高回転音に気が付き小屋の窓から見ると除雪機に人が巻き込まれている(オーガに人の頭が挟まっている)ように見えた。急ぎ現場に行くと被害者が除雪機の下敷き?になっており、助けるために除雪機を左右に動かしたら除雪機は前に進み、除雪機が動かなくなったのでエンジンを止めた。(この辺の細かい供述は聞くたびに異なっており、はっきり言ってよくわからなかった)この後、妹に救急車を呼んでもらい、被害者は病院に搬送された。
事故があった現場の脇には実家の小屋に置いてあった70cmぐらいのバールが落ちていたが、なぜそこにあったのかは不明。
公判傍聴の感想
除雪機事故?により被害者が亡くなった現場では、被害者に除雪機が乗り上げた状況と被害者の姿勢、被害者の頭頂部のケガ、被告の証言、シャーボルトの見つかった位置、バールの存在などなど、不審な点が数多く確認されている。軽トラック海中転落の時も、ブレーキホースの人為的(の可能性が高い)切断が確認されているにもかかわらず、事故として処理されてしまっていたが、除雪機による被害者死亡についても、当初は事故で処理されてしまっていたらしい。これだけ、不審な状況が確認されても、事故として判断処理されてしまったことは問題にならないのだろうか?